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定義

カロリーの元々の定義は、「1グラムの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量」である。水の比熱はその温度によって異なるため、何度の水によって定義するかによって各種の「カロリー」が生まれることになるが、おおむね1カロリー≒4.2ジュール、1ジュール≒0.238 9カロリーである。

 

例えば15度の水を1℃上げる(正確には14.5℃から15.5℃に上げる)のに必要な熱量は15度カロリー(記号:cal15)と言い、1 cal15 = 4.185 5 J である。同様に20度の水の場合は「20度カロリー」のように呼び、総称して温度をt℃と指定したカロリーをt度カロリー(記号:calt)という。

 

用法

温度を指定しない場合は、熱力学カロリー(記号:calth、定義カロリーともいう)が用いられる。1 calth = 4.184 J と定義されている。日本の計量法で使われているのは熱力学カロリーである。 国際的には国際蒸気表カロリー(記号:calIT)がよく使われる。これは1956年の国際蒸気性質会議で決定されたもので、正確に 1 calIT = 4.186 8 J と定義されている。この値は、1グラムの水の温度を0℃から100℃まで上げるに必要な熱量の1/100と定義される平均カロリーに最も近い。

 

日本の計量法では、カロリーおよび1000倍のキロカロリー(kcal)100万倍のメガカロリー(Mcal)10億倍のギガカロリー(Gcal)の使用が、「人若しくは動物が接取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」(すなわち栄養学や生物学に関する事項)に限定して認められている。

 

栄養学における「カロリー」

詳細は生理的熱量を参照

 

栄養学においては、カロリーは生理的熱量(栄養学における熱量、エネルギー)を表す単位として用いられる。

 

摂取する食物から得られる栄養学的熱量と、運動や基礎代謝によって消費される熱量について適用され、生物が生理的に代謝したエネルギー1カロリーは空気中での酸化反応(燃焼)によって発生した熱量1カロリーと等しいと定義される。

 

栄養学ではカロリーの1000倍のキロカロリー(kcal)がよく使われる。かつてはこれを"Cal"(一文字目が大文字)と書いて「大カロリー」と呼んでいた。それに対して"cal"は「小カロリー」と呼ぶ。ただし、"Cal""cal"はまぎらわしいので、今日では"kcal"(キロカロリー)と表記するのが一般的である。但し、日常会話ではキロを除いて、単にカロリーと呼ぶことがある。

 

この用途でのカロリーは、日本を含む多くの国で生理的熱量を表す標準単位として広く用いられ、計量法改正でも「用途を限定する非SI単位」と定義され、SI単位への移行からは除外されているが、今後は政策的にSI単位であるジュール(1 cal4.186 J)に置き換えられていく予定となっている。海外(アメリカを除く)の食品では、ジュール表記を併記したものもある。

 

この用法から転じて、「カロリー」は食品の持つ栄養価としての生理的熱量そのものを指す言葉ともなっている。例「こんにゃくはカロリーが低い」「ファストフードはカロリーが高いから太りやすい」など。

(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

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